涼宮ハルヒの劇場 感想メモ

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たぶんネタバレ100%

 

・読み始めた瞬間頭の中で京アニっぽいアニメーション映像が流れ始めてきて凄すぎる 勝手にcv:平野綾ハルヒの声が聞こえてくるし京アニっぽいカットの映像が自動再生される 驚愕の時もそうだったけど、アニメ化せずとも勝手に脳内でアニメを見た自分になれる文章で良い

 

ハルヒの性格は儂が読んでいた東方二次創作イメージの宇佐見蓮子に近いような気がする

 ・「夢を現に変えるのよ!」的な思想と地に足のついた実行力、そしてそれが本当に作用しうる環境、というシチュエーションが似てるのかも

 

ハルヒ作品は語り手が一人で固定されているのが面白さであり不気味さでもあるんだよな 京極夏彦の妖怪シリーズで中禅寺秋彦が語り手にならないとか、東方で霊夢の視点で語られたことがないとか、そういうのと同じ作為を感じる

 

 

・マジで話が『ビューティフル・ドリーマー』じみてきている

 ・諸星あたると夢邪鬼がハリボテの舞台の上でくんずほぐれつするシーンみたいな描写がずっと続く この、小説の媒体だからこそできるなんでもありのカオス状態は生成AIっぽさすらある

・最近『ハルヒ』がソシャゲとかラノベの別作品とコラボしまくってるからそれの寓意も兼ねてるのかな、という気がしてきた。DMMの某エロソシャゲともコラボしていて見境なさすぎだろ、と思っていたが……

   ・あるいは大量に作られた二次創作作品に対する寓意なのか。昔の二次創作って世界観をガラっと変えたパロディがよく作られてた印象があるし 学パロとか。 だれかの用意した舞台でキャラがコピー、再生産される構造はレヴュースタァライトらしさもある

 ・あくまで寓話として捉えられるというだけで、安易なメタフィクションに頼らずハルヒたちのSF世界の中で解釈が完結してる、完結したまま物語を閉じようとしているのはめっちゃ良かった

 

・これ、アニメ化はしなくていいんだけどノベルゲー化してくれないかな ノベルゲーにしたらかなり面白い演出ができそう そしてエンドレスエイト並みに問題視されそう

 

ハルヒの解説書で何度も読んだ量子論の話だ!!

 

・最初の章って2004年に書かれたやつだったのか。昔すぎるだろ

 ・ハルヒ達は劇場に囚われていたせいで長い間新刊が出なかった……って事か!?!?!?

 

・というか作中の時系列的には溜息の後なのか ハルヒの言動から勝手に二年生の話だと勘違いしてた 黒幕っぽい天蓋領域の名前が出てこなかったのはそういうことね

 

・脱出直前のハルヒの「悪巧みの相談は終わった?」ってセリフが、なんか祭りの終わり際っぽくて良いですね まあこのセリフが溜息の直後の彼女から出てくるか?とは思うが。

 ・あと気のせいか、だいぶ長門のジェスチャや言動に人間味が出ているような?驚愕まで読んだのが大分前のことなのでよく覚えてないが

 

・寓話云々の話は偶然なんだろうけど、そこも含めてカオスな状態から上手いこと着地したなという感じはある。20年熟成させたからこそ後半に凄みが出てる。いやおもしれー