ノベルゲームの幽霊

ノベルゲームに登場するキャラクターって、なんだかすごく儚い感じがする

 

運命によって存在させられている幽霊のような存在

ゲームが進行するにつれて少しずつ運命から解放されていき 最終的に全てのしがらみから解き放たれて成仏していくような存在

現代のキャラクター像にはそぐわない、時代遅れのキャラクター

旧来型ノベルゲームのキャラクターに対する儂のイメージは、だいたいそんな感じ

 

 

こう思う理由の一つに、キャラクターが持つ時間軸の違いがあるじゃろう

モダンなキャラクターは、現実世界の進行に沿った変化の時間軸を(疑似的に)持つ

一方で、旧来型ノベルゲーのキャラクターはプレイヤのゲーム進行に沿った時間軸を持つ

モダンなキャラクターの変化時間はほぼ無限だが、ノベルゲーのキャラクターの変化時間は有限

だからプレイヤがノベルゲームをプレイし終えると、ノベルゲームに登場したキャラクターは変化を失い、勝手に成仏していってしまう

 

 

一度成仏したキャラクターは二度と立ち現われることがない

同じノベルゲームをもう一度プレイするときに現れるキャラクターは、前回プレイしたときに現れたキャラクターとは別の対象になっている

他人の二次創作によって表現されたキャラクターも、儂がプレイしているときに立ち現われていた"あの"キャラクターとはやはり別者で、あくまで特徴がコピーされた対象にすぎない

これは、キャラクターがノベルゲームという作品だけでなく、プレイヤのゲーム経験に存在依存する対象なんだと、儂が信じているからだと思う