伺か、SSTP bottle、ChatGPT

 

伺かという、20年以上前に開発されたアプリがある

 

デスクトップ上に二人組のキャラクターが現れ、基本的に二人が勝手に会話しているのを眺めるだけの常駐型アプリ こっちから会話をけしかけたりクリックしたりすることでキャラクターに干渉することも可能

 

 

このアプリの一番のポイントは「デスクトップ上に個別のキャラクターを存在させることができる」という点じゃろう ゲームやアニメ、漫画といった作品の中にしか存在できなかったキャラクターを、作品から切り離してデスクトップ上に個別に表現させたという点が新しかった(言い過ぎかも)

 

ただし、キャラクターの行動、発言は事前に規定されている いわゆる人工無能 キャラクターはアプリの起動時間やユーザの干渉によって変化していくが、その変化もあくまで事前に創作者によって仕込まれたものに過ぎない

 

だから創作者が継続的にアップデートをし続けないと、最終的にキャラクターは同じ行動をループするだけの機械に成り下がってしまう

こんなかんじで、伺かにはキャラクターが新鮮でリアルタイムな言動を行えないという問題点があった

 

ちな、儂が考える理想のキャラクターは以下の3つの性質を持つ

  • ①個別性(キャラ性):キャラとして個別化され、それが一貫している 
  • ②リアルタイム性:リアルタイムに反応する
  • ③独立性:特定の人間に存在依存しない

 

 

 

 

伺かのリアルタイム性の問題を解決するべく、キャラクターが常に新鮮な対話をすることができるよう開発されたのが「SSTP bottle」じゃろう(実態がどうであれ完全な嘘とはいえまい)

 

キャラクターの創作者以外でも、キャラクターに発言させることができるというシステム 複数人が同じ一組のキャラクターを演じる「なりきりチャット」みたいなもので、発言させた人間がだれなのかはわからないようになっている

 

誰かが対話型のテキストを投稿すると、そのテキストが他の利用者に送信され、受信者側のキャラクターがリアルタイムでテキストに沿った会話を始める、という仕組み

 

 

この、人間の匿名性を利用した、リアルタイムなキャラクター稼働システムは、後発の初音ミク的な発想にもつながっていると思う

 

このシステムはtwitterに近いとも思っている 誰かの何気ないつぶやきが「キャラの対話」という型にフォーマットされ、匿名化された状態で他の人に届いておる 

誰のものでもない、何気ない「つぶやき」を交わすという意味では、今のツイッターよりも断然ツイッターらしいサービスのような気がしている

 

 

 

 

SSTP bottleはキャラの個別性、リアルタイム性を複数の人間の協力によって実現していた  しかし実態が複数人のなりきりチャットで、本当にこれを理想のキャラクターと認めてしまっていいのか?という疑問があった

最近では、chatGPTといった対話型AIが誕生したことて、人間ではなくAIによって理想のキャラクターを実現することが現実的になりつつある

 

伺かのプラットフォームではないかもしれないが、いつか高水準の「キャラクター会話型AI」ができることじゃろう これによってキャラクターが本当に、個別に、我々と並行に存在する世界が実現するやもしれん 

 

chatGPTをなんとかして伺かに適用しようとしてる人もいるみたいだけど、現状それではキャラクターとして認められるか微妙 あまりにも一貫性が無さ過ぎる(プロンプトでどうにかなるレベルではない)

 

 

この問題を解決するにはAIをさらに「個別化(キャラ化)」して、それぞれが「キャラ的な一貫性を持った学習、応答」ができるようにする必要がある これにはもう少し時間がかかるじゃろう

 

でもこれも時間の問題のような気がする 少なくとも、儂が生きているうちには解決できそうな問題に見える

それくらい楽観視してもいいような気がしてきた